【人手不足】求人来ない?中小企業が欲しい人材を確実に採用する方法
人手不足の根本原因:穴の空いたバケツ問題
鈴木社長、あなたの会社で人手不足が深刻化しているのは、決して業界のせいでも、求人媒体のせいでもありません。根本的な原因は、例えるなら「穴の空いたバケツ」に水を注ぎ続けている状態だからです。いくら求人広告にお金をかけても、魅力的な人材はこぼれ落ちていく。その穴を塞がない限り、どんなに頑張っても状況は変わりません。
求職者の行動変化と企業のミスマッチ
現代は完全に「売り手市場」です。求職者は複数の企業を比較検討し、より魅力的な企業を選びます。彼らは単に給与や福利厚生といった条件面だけでなく、企業の理念や文化、そして働く人々の雰囲気まで、徹底的にリサーチします。求職者の情報収集能力は非常に高く、企業のホームページやSNS、口コミサイトなどを隅々までチェックし、そこで働く自分の姿を具体的にイメージできるかどうかを判断します。
多くの企業は、この求職者の行動変化に対応できていません。昔ながらの求人広告に頼り、企業の魅力を十分に伝えられていない。その結果、求職者は「この会社で働くイメージが湧かない」「なんか違うな」と感じ、応募に至らないのです。
求人票だけでは伝わらない情報
従来の求人票は、どうしても文字情報に偏りがちです。「アットホームな職場です」「風通しの良い社風です」といった言葉は、抽象的で求職者の心に響きにくい。本当にアットホームなのか? 風通しが良いのか? 求職者は疑心暗鬼になります。言葉だけでは、企業のリアルな魅力を伝えることは難しいのです。
さらに、多くの企業が「誰でも良いからとにかく人が欲しい」という状況に陥りがちです。明確なターゲットを設定せず、広く浅く求人広告を出すため、応募者の質が低下し、ミスマッチが生じやすくなります。せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう。この悪循環が、人手不足をさらに深刻化させているのです。
人手不足を解消する2つの鍵:動画と採用メッセージ
では、どうすればこの「穴の空いたバケツ」を塞ぎ、欲しい人材を確実に採用できるのか? その答えは、「動画」と「採用メッセージ」という2つの要素を掛け合わせることです。
動画の圧倒的な情報伝達力
動画は、文字情報だけでは伝えきれない企業のリアルな魅力を、圧倒的な情報量で伝えることができます。社員の笑顔、活気あるオフィスの雰囲気、社長の熱い想い…動画は、五感を刺激し、求職者の感情に直接訴えかけます。「この会社で働く自分」をリアルにイメージさせ、共感を呼び起こすことができるのです。
プロが制作した高品質な動画である必要はありません。むしろ、スマホで撮影した手ブレのある動画の方が、リアルで親近感が湧き、求職者の信頼を得やすい場合もあります。重要なのは、企業のありのままの姿を正直に見せることです。隠そうとすればするほど、求職者は警戒心を抱き、応募をためらいます。
動画の内容は、以下の3つの要素を盛り込むと効果的です。
- 社長インタビュー: 企業の理念やビジョン、求める人材像を、社長自身の言葉で語ります。
- 先輩社員の1日: 実際に働いている社員の仕事内容や1日のスケジュールを紹介します。
- オフィスのありのまま: 休憩中の雑談風景やランチタイムの様子など、オフィスの雰囲気を伝えます。
心を掴む「採用メッセージ」の重要性
採用メッセージとは、求職者の心を掴む、企業の魂を込めた言葉です。「誰でも良いから」ではなく、「あなたに来てほしい」という熱い想いを込めて、求職者に語りかけます。単なる条件提示ではなく、その会社で働くことで得られる未来や成長機会を具体的に示し、共感を呼び起こします。
採用メッセージを作成する上で重要なのは、ペルソナを設定することです。「20代、やる気のある人」といった抽象的なターゲットではなく、「35歳、子育てが一段落して、もう一度キャリアを積みたいと考えている元営業職の女性」といった具体的な人物像を想定します。ペルソナを絞り込むことで、メッセージはより鋭くなり、ターゲットに強く響くようになります。
例えば、「残業が少ない」という条件をアピールするのではなく、「家族との夕食の時間に毎日間に合わせます」というメッセージで、得られる未来を具体的に示す。これが他社との差別化につながります。
中小企業が実践すべき5つのステップ
「動画」と「採用メッセージ」を効果的に活用し、人手不足を解消するためには、以下の5つのステップを実践する必要があります。
ステップ1:コンセプト設計
いきなり求人票を書き始めるのではなく、まずは採用のコンセプトを設計します。「誰に」「何を」届けたいのか? ペルソナ設定、採用メッセージ、そして採用ロードマップを作成します。採用ロードマップとは、「コンセプト」→「動画制作」→「求人票作成」→「媒体掲載」→「面接」といった一連の流れを図式化したものです。全体像を把握することで、効率的に採用活動を進めることができます。
ステップ2:動画・LP制作
コンセプト設計で決めたメッセージを、目に見える形に変換します。会社の雰囲気が伝わる動画を制作し、それを掲載した採用LP(ランディングページ)を作成します。採用LPは、会社概要ではなく、ペルソナに向けたラブレターです。動画と文章で、その一人の心を鷲掴みにします。
動画撮影は、スマホで十分です。プロに依頼する必要はありません。むしろ、手ブレのある映像の方が、リアルで信頼感を与えます。撮影する動画は、社長インタビュー、先輩社員の1日、オフィスのありのまま、この3つで十分です。
ステップ3:求人票
ここで、多くの企業が間違った方向へ進んでしまいます。「フルタイムで働けて、残業もできて、スキルも高い」スーパーマンを探しがちですが、そんな人材は大手企業が高待遇で採用しています。中小企業がそこで勝負しても、勝ち目はありません。
視点を変えてください。世の中には「能力はめちゃくちゃ高いのに、ある理由でフルタイムで働けない」という層が山ほどいます。「働けない理由がある人に働いてもらう」という戦略です。例えば、元トップ営業マンのママさん。親の介護があるベテラン経理。彼らは時間は短いですが、集中力とスキルは半端ではありません。
求人票には、条件の羅列ではなく、メッセージを込めます。「あなたの事情を理解しています。それでもあなたが必要です」と伝えるのです。例えば、「【16時退社OK】あなたの営業スキルを、短時間で貸してください。子育て中のママ活躍中!」といった具合です。
他社が「扱いにくい」と切り捨てるその制約を、あなたが「受け入れて」あげてください。「16時退社でOKです」「週3日で構いません」。そう言った瞬間、競合がいなくなります。あなたがその優秀な人材を独占できるのです。
さらに良いことがあります。こうした方々は、「自分の事情を理解して雇ってくれた」という会社に、強い恩義を感じてくれます。だからこそ、簡単には辞めません。「働けない理由がある人」こそが、実は「最強の戦力」になり得るのです。
ステップ4:ハローワーク&Indeed
STEP1〜3で作った「動画」や「求人票」を、無料で世の中に広めるための「拡散装置」として活用します。
「ハローワークなんて無料だし、いい人いないでしょ?」と思っていませんか? それは大きな間違いです。ハローワークは「日本最大級のデータベース」です。求人票の「備考欄」を活用し、「会社の雰囲気がわかる動画はこちら」とQRコードやURLを記載します。無機質な紙の求人票から、彩り豊かな動画へジャンプさせるのです。
窓口の担当者を味方につけてください。事務的に書類を渡すのではなく、「うちはこんな想いで、こんな人を本気で探しているんです!」と熱量を伝えてください。担当者がファンになれば、「あ、この会社おすすめですよ」と、求職者にプッシュしてくれるようになります。
Indeedも同様です。Indeedは「仕事探しのGoogle」です。求職者の8割以上が利用しています。Indeedで求人広告を出す場合も、求人原稿の中に「まずは採用ランディングページで採用メッセージ+会社の雰囲気がわかる動画で社内の雰囲気を見てください」と書き、自社の採用ランディングページへ誘導します。
ステップ5:応募後・面接
ここまでくれば、動画を見てファンになってくれた人が面接に来るわけですから、かなり有利です。面接は「選考」ではなく「確認」の場になります。企業の雰囲気や仕事内容について、動画を通して理解した上で応募してきているため、ミスマッチはほとんどありません。面接では、求職者の個性や価値観を深く理解し、企業との相性を確認します。そして、入社後のキャリアプランや成長機会を具体的に提示し、求職者の期待を高めます。
電話対応のスピードも重要です。応募が来たら、1時間以内に電話をかけてください。求職者は同時に複数の会社に応募しています。最初に連絡をくれた会社に、心は傾きます。
採用活動は「辞めない組織」を作るプロセス
採用活動は、単に人手を補充するだけでなく、「辞めない組織」をつくるための重要なプロセスです。
採用活動そのものが、「辞めない組織」をつくるプロセスになっているか?この視点で採用を設計できると、
【 採用できて、しかも辞めない組織 】を設計できるようになります。
採用が変われば、会社は劇的に変わります。ぜひ、一歩踏み出して、御社らしい採用を実現してください。

